第1回
昭和十一年、雪が(日本を愛する二世)
終戦の翌年、東京裁判で通訳を束ねる立場にあった日系二世の賢治(松本幸四郎)は、過ぎし学生時代を思い起こす。昭和十一年、大学で過ごす最後の冬、十歳の折に離れた弟・忠が米国から渡来すると一報がもたらされる。
第2回
戒厳令 (2.26事件)
昭和十一年二月、鹿児島への帰省を終えた賢治(松本幸四郎)は、湯河原の旅館で典子(大原麗子)と出会う。その夜、二・二六事件の折に武装兵士が旅館を襲い、賢治は炎に包まれた建物から典子を助け出し、記者の車で東京へ向かう。
第3回
悲しみへの序曲 (平和を愛す市民)
賢治(松本幸四郎)は銀座の喫茶店を拠点に、教師やカメラマンら映画好きの仲間と交流を楽しむ。柔道の怪我で大会を断念した弟は日本での生活を選び、啓介(篠田三郎)の妹は同人誌に賢治の名があるのを見つけて驚く。
第4回
別れの絵草子 (日本の軍部の圧力)
映画会社で働く賢治(松本幸四郎)のもとに典子(大原麗子)が訪ねてくる。二人はトムソンから日本の軍国化を聞き、帰米を決めた賢治は別れを惜しんで典子と銀座を歩き、それが典子の婚約者の知るところとなる。
第5回
家族 (アメリカを祖国として懐かしむ二世)
14年ぶりにアメリカへ帰った賢治(松本幸四郎)は、ロサンゼルスで家族や幼なじみとの再会を喜ぶが、日系人の生き方をめぐり旧友と意見がぶつかる。後日、梛子と先祖ゆかりの土地を訪ね、親の代の苦労を思う。
第6回
リトル・トーキョー (日系人への差別)
チャーリーは父を白人の強盗に殺され、母と妹を日本へ帰す代わりに白人社会で生きる道を選ぶ。賢治(松本幸四郎)は仕事探しで差別に遭い、家業のランドリー継ぎを決めるが、父は厳しい言葉で見送る。
第7回
草原情歌 (二世と同じ立場の中国人)
帰国した賢治(松本幸四郎)は通信社記者として再出発するが、機関誌が検閲に触れたため特高警察に連行される。一方、庄平(川谷拓三)がカメラを質に入れて工面した金は、スパイ容疑の中国人の逃亡資金だった。
第8回
大陸へ (特高に弾圧される平和主義者)
大尉との縁談に悩む典子(大原麗子)は、賢治(松本幸四郎)の帰国を知って家を出る。賢治は彼女を浪花節語りのもとへ預けるが、上海への転勤を命じられ、軍の侵攻を止めたい林田(井上孝雄)から同行を頼まれる。
第9回
上海に一滴の涙を (日本軍の謀略による戦争)
戦火が広がる上海に赴任した賢治(松本幸四郎)は、密航してきた林田(井上孝雄)と再会して書類を預かるが、翌日その死と向き合うことになり、自身も領事館警察で尋問を受ける。抗日活動家である栄麗(岡田奈々)からある情報を聞く。
第10回
戦都 (上海の戦争)
保安隊に変装して日本人将校を撃ち殺した久永が庄平(川谷拓三)のフィルムに映り、賢治(松本幸四郎)は抗日運動と日本軍の戦火にのみ込まれる。賢治はフィルムを交換条件に拷問された栄麗(岡田奈々)を救い出すが、典子(大原麗子)が訪ねた部屋には久永がいた。
第11回
いまひとたびの (軍国主義が日米の恋人を引き裂く)
賢治(松本幸四郎)は特務機関に追われる身で中国から帰国し、典子(大原麗子)に想いを伝えようとするが会ってもらえない。父の左遷とともに小樽へ発つ典子は、駅のホームでの賢治の求婚をきっぱり受け入れない。
第12回
大陸からの手紙 (南京陥落)
南京陥落を喜ぶ忠に対し、賢治(松本幸四郎)は栄麗(岡田奈々)の安否を案じる。従軍カメラマンの手紙で栄麗の死を知った後、忠が水銀採掘のため満州行きを語ると賢治は憤り、二人は対立する。
第13回
それぞれの青春 (米国記者の暗殺・満州移民の悲しみ)
支局長が刺殺され、警察の捜査に業を煮やした賢治(松本幸四郎)が独自に調べ、犯人として同郷の移民・荒木三郎(趙方豪)が浮かぶ。だが刑事の義勝(柴田恭兵)は親友の三郎を見逃すのだった。
第14回
さらば日本よ (真に国を愛する賢治は国外退去になる)
トムソン事件を追う賢治(松本幸四郎)は特高に捕まり国外退去に。日本に失望して渡米を決め、東郷に胸の内を打ち明けて励まされ、出国手続きのための横浜で久永から、上海で典子(大原麗子)を辱めたことを知らされる。
第15回
開戦前夜 (ハルノートこそが最後通牒だった)
賢治(松本幸四郎)はロサンゼルスの新聞社で記者となり、結婚を控えた梛子とともに開戦回避を訴え続ける。日本では東郷外相が外交による打開を図るが、米国はハルノートを突きつける。
第16回
1941年12月8日 (譲歩の提案は日米双方から攻撃される)
賢治(松本幸四郎)との結婚を決め、忠とともにアメリカへ向かう典子(大原麗子)。賢治が社説執筆を断るなか日本は真珠湾を攻撃し、典子の乗る船は日本へ引き返すことになる。
第17回
パール・ハーバー(開戦・逮捕される日系人)
真珠湾攻撃の報せがリトルトーキョーを震撼させる。挙式直後の梛子は新婚旅行を取りやめて職場へ戻るが、編集長が身柄を拘束され、その後も日系人の摘発が相次ぎ、スパイの疑いをかけられた女性が自ら命を絶つ。
第18回
戦下の隣人達 (日系人への迫害)
真珠湾攻撃を機に日系人への襲撃が各地で起き、梛子の実家の店も被害に遭う。賢治(松本幸四郎)は女性の自殺をめぐり当局の捜査に抗議し、チャーリーはFBIの監視役を命じられ心を揺らす。
第19回
日本刀を埋めた日 (アメリカへの忠誠を誓う二世)
賢治(松本幸四郎)はチャーリーの忠告で嫌疑を避けるため日本語の書物を焼き、乙七(三船敏郎)は銃器所持禁止の中で日本刀を土に隠す。忠は召集状を受け、典子(大原麗子)をしまに託して対米開戦を決め、賢治は尋問で米国への忠誠を誓う。
第20回
大統領令9066(強制退去それは日系人の罪なのか)
釈放された賢治(松本幸四郎)が戻った町は、日系人たちが去った後の静けさに包まれていた。閉ざされた店々を目にして涙する彼は、仮収容所へ向かい、そこで家族とエミーの姿を見つける。
第21回
マンザナール収容所(ひどい日系人収容所)
移送の途上で忠の入隊と典子(大原麗子)の結婚を知り落胆した賢治(松本幸四郎)は、砂漠の収容所で武装の州兵に監視され捕虜同然の生活を送る。チャーリーの引き合わせで所長に会い、まとめ役として働くよう勧められる。
第22回
荒野のパーティー(日系人の不幸な収容所生活)
鉄条網の中で不満を抱える日系人たちが反米派と協調派に分かれて対立するなか、賢治(松本幸四郎)の部署が企てたダンスパーティーに所長から中止命令が出る。
第23回
虹の彼方に(日本軍の初年兵虐め)
忠は鹿児島の連隊で友人と新兵訓練に耐える。赤紙を受け取った啓介(篠田三郎)と、対米放送を命じられたマリーは愛を確かめ合い、手を取り姿を消す。賢治(松本幸四郎)はエミーにプロポーズする。
第24回
祖国アメリカ(収容所で分裂する日系人)
開戦から1年、収容所内で反米派と親米派が鋭く対立。告発状を奪われた反米派がダンスパーティーを襲い、賢治(松本幸四郎)は両派に信頼される松原と共に話し合いでの解決を図るが、武装した州兵が場に踏み込む。
第25回
暴動(日系人の暴動)
池島は賢治(松本幸四郎)の嘆願も届かず営倉行きとなり、抗議集会は暴動へ発展してケニー松原が州兵の発砲で亡くなる。賢治は騒動の元がチャーリーにあると悟り、彼を殴り飛ばす。
第26回
人間テスト(米国への忠誠を問われる日系人たち)
マンザナールで忠誠を確かめる審査が課され、乙七(三船敏郎)は拒み、勇は志願して兵士となり、賢治(松本幸四郎)は回答しない道を選ぶ。チャーリーに日本語学校教官を勧められるが、賢治は国の掲げる理想への疑問から辞退する。
第27回
さらば収容所(日本人を差別しないアメリカ人)
徴兵を逃れていた啓介は病のマリーを連れ鹿児島の典子(大原麗子)を訪ねるが、特高に連行される。マンザナールでは白人医師が肺炎の日系児童をペニシリンで救い、賢治(松本幸四郎)は陸軍日本語学校の教官を務めることになる。
第28回
アメリカ陸軍日本語学校(梛子とチャーリーの不和)
1943年、賢治(松本幸四郎)はミネアポリスの日本語学校教員となり、チャーリー夫妻と官舎で隣り合う。妻エミーの合理主義に違和感を覚えるなか、梛子は昇進のため同僚を探る夫を受け入れられず、マンザナールへ帰る。
第29回
離婚(賢治とエミーの亀裂)
梛子がマンザナールへ戻り、エミーは隣人のチャーリーに毎晩食事を届けている。オーストラリアへの転任が決まったチャーリーとの離婚を決意した梛子は、父とともに交換船で日本へ帰国する。
第30回
血の証し(暗号解読・日系人部隊の欧州での戦闘)
賢治(松本幸四郎)は国防省で日本の外務省と駐独大使館の通信解読を命じられ、それが恩人・島木の声と知って苦しむ。太平洋戦線への従軍を決意した頃、エミーは妊娠していた。
第31回
太平洋戦線(捕虜尋問・東京ローズ)
米軍情報将校の賢治(松本幸四郎)はレイテ島で日本軍の捕虜を尋問し、投降呼びかけへの協力を取り付ける。翻訳した機密文書に九州出身の23師団の名を見つけ、忠の身を案じる。
第32回
二つの戦場 (死体だらけの戦場)
昭和19年、忠は輸送船の攻撃を受けるも救助され、フィリピンの部隊へ復帰。しかしルソン島で補給を断たれて孤立し、賢治(松本幸四郎)は遺体の散乱する戦場を歩きながら忠の安否を案じた。
第33回
誰が故郷を想わざる(餓死・病死、日米兵士の死)
昭和20年、敗残兵となった忠たちの部隊では餓死や病死が相次いだ。米軍将校の賢治(松本幸四郎)は日本兵の命を救うため投降を呼びかけ、その頃米国では妻エミーが男児を出産した。
第34回
東京大空襲 (死ぬ日本人・100万人救うためなら10万人殺すも可)
1945年3月、多くの犠牲を出した東京への空襲の報せを賢治(松本幸四郎)はルソンで受ける。忠と同じ部隊の新吉(矢崎滋)が投降するが忠の消息を語らず、一方ロサンゼルスではエミーが暴行され屈辱に苦しむ。
第35回
兄弟対決(二世がしたのはジャップのジャップ狩りだ)
ルソン島にいる忠の所在を知った賢治(松本幸四郎)は、薩摩の言葉で書いた投降ビラを散布する。戦場で敵同士として再会した兄弟だったが、忠の上官との応戦の中で、賢治は忠を撃ってしまう。
第36回
終戦 (終戦の経緯)
ポツダム宣言を巡り、和平を望む外相当局と本土決戦を主張する軍部が対立するが、広島・長崎への原爆投下により天皇が降伏を決断する。マニラの捕虜収容所で敗戦を知った忠は、賢治(松本幸四郎)に二度と米国の地を踏まないと語る。
第37回
ヒロシマ(被爆者の怒り・アメリカは謝るべきだ)
賢治(松本幸四郎)は米軍の調査で広島を訪れ、被爆者の語る凄まじい実体験に心を打たれる。椰子との再会でその父の死を知った後、真実を書き残そうとするが、上層部から筆を止めさせられてしまう。
第38回
東京裁判開廷(東京裁判は公正であるべきだ)
賢治(松本幸四郎)は連合国の言語調整官として東京裁判を見届けるべく東京に残る。チャーリーはマリーを啓介(篠田三郎)と別居させて宿舎に迎え入れ、エミーは酒に溺れる一方で、アメリカの乙七(三船敏郎)とテルは洗濯業を再開する。
第39回
モニター (モニターは米軍の手先なのか)
東京裁判が開廷し、賢治(松本幸四郎)は言語調整の任に就き、被告席には恩人が座る。鹿児島へ戻った忠は戦友の形見を遺族に届けるが、兄弟は非難の渦中で対立し、しまは深く悲しむ。
第40回
変身(戦争が日本人を醜く変えた・田中隆吉と典子)
東京裁判で田中元陸軍少将が日本人被告を不利にする証言をし、賢治(松本幸四郎)は失望する。忠から典子(大原麗子)の居場所を聞いた賢治は、米軍将校の情婦となり物資を流す彼女と再会し、戻りがたい変化を感じる。
第41回
凱旋(二世達の戦後)
1946年7月、日系442部隊の帰還でロサンゼルスが沸くなか、戦傷を負いながら勲章を授かった勇と休暇で戻った賢治(松本幸四郎)により天羽家に笑顔が戻る。だが息子アーサーとの初対面の夜、乙七(三船敏郎)の倒れた知らせが届く。
第42回
英霊(BC級戦犯の不当な処刑)
盆の入り、焼け落ちた店の跡にいた賢治(松本幸四郎)の前に、復員した庄平(川谷拓三)が姿を見せる。賢治は庄平を闇市で働く美齢(アグネス・チャン)に引き合わせるが、間もなく庄平は戦犯としてシンガポールへ送られ、軍事裁判で死刑判決を受ける。
第43回
古都憂愁(原爆病の梛子のはかない恋)
昭和21年8月、広島では椰子の妹・広子(かとうかずこ)が原爆調査の看護師として働く。忠はペニシリンの不正で捕まるが賢治(松本幸四郎)へのわだかまりは残り、梛子だけが支えの賢治は椰子と京都の宿で一夜を過ごす。
第44回
真珠湾攻撃の謎(ルーズベルトは日本の攻撃を知っていた)
東京裁判は日米開戦の真相の解明へと移り、東郷元外相が被告として裁かれる。島木は私財を投じて弁護を支え、検察が暗号電報を基に尋問する中、弁護側は大統領が真珠湾攻撃を予期しながら許したと主張する。
第45回
ワシントン・ハイツ(エミーのアル中発覚)
暴行事件の傷も癒え、息子と共に来日し賢治(松本幸四郎)と新居での生活を始めたエミー。だが賢治となぎこの京都旅行を知り酒に戻り、パーティーの夜、酔った勢いで事件を打ち明ける。
第46回
限りある生命(梛子は原爆病で1年と宣告される)
エミーの病と仕事の無力感から帰国を望む賢治(松本幸四郎)は、椰子の居所を知って広島へ。駆けつけた病院で彼女が被爆による白血病で余命一年と知り、パル判事の言葉も受け、裁判を最後まで担う決意をする。
第47回
焼跡の聖夜(チャーリーは二世の哀歓を味わう)
賢治(松本幸四郎)への疑いから酒に溺れるエミーは、チャーリーの求めを振り切り賢治への想いを貫く。クリスマスの夜、チャーリーは婚約者と踊り、広島の病床の椰子は賢治の手紙を読み、敗戦の国でそれぞれの夜が更けていく。
第48回
兄弟和解
終戦から月日が流れ、忠は余命半年の椰子に勧められ賢治(松本幸四郎)を訪ね、エミーの振る舞いで乱れた兄の家庭を案じる。大晦日、鐘の音とともに盃を交わし、兄弟はついに和解する。
第49回
最終論告
東京裁判で東條の証言が変わり、賢治(松本幸四郎)は裁判への信頼を失う。大みそかにエミーを入院させた賢治。チャーリーは広島で椰子を見舞い、米国の勇とマリアンに娘が生まれる。
第50回
宣告
判決文翻訳のため高輪の服部ハウスに移され、外出も手紙も制限される賢治(松本幸四郎)。椰子の危篤を知らされ軍用機で広島へ急行したが椰子は既に他界しており、東京に戻るとエミーと忠が出迎える。
第51回
新たなる旅立ち(そして誰もいなくなった…)
判決が下り東京裁判が終結すると、賢治(松本幸四郎)は米諜報部隊に忠誠への疑いをかけられ、収容所時代を超える屈辱を受ける。正月を忠と鹿児島で明かし、広島で椰子の墓を参った後、大講堂で自らの生を閉じた。